買取相場 | 2022.10.28
見た目だけじゃない、本格オフロード志向のトヨタ・RAV4。査定相場での評価は?
Posted by 菅野 直人
初代は国産クロスオーバーSUV初期の傑作、2代目、3代目は平凡にして凡庸、4代目はついに国内販売をやめて欠番となるものの、2019年4月に国内市場で復活した5代目は、実用性の低いクーペルックSUVが飽きられかけていた中、懐かしいというより新鮮味さえ感じるオフローダールックSUVとして華麗に復活した、トヨタ RAV4。国内復活から3年以上がたった今、下取りや売却で参考になる買取市場での評価はどうでしょうか?
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
RAV4の中古車市場での人気について
日本国内で実用性の高いアウトドアギア、あるいは一周回ってファッション性の高さが魅力と評価されるオフローダールックSUVを再評価させ、弟分のライズ(ダイハツ ロッキーのOEM版)もヒットさせた5代目RAV4。
最新の電子制御4WDシステム、ハイブリッドシステム、今回の記事には含めないもののPHV(プラグインハイブリッド)など、タフそうな外見とは裏腹に、最新技術を詰め込んだSUVですが、中身はハリアーと同じ、いわばオフローダールックのハリアーですから、それも道理です。
実用性が高く最新技術てんこ盛り、ファッション性でも最先端の現行RAV4は、日本での復活から3年以上たっているにも関わらず、納期は短くて5か月程度、ハイブリッドは半年以上、PHVに至ってはバックオーダーがたまって2022年10月現在は受注停止状態と、新車の早期入手が容易ではありません。
それゆえ、大手中古車情報サイトによれば、中古車市場での流通台数は1,347台と人気SUVの割にかなり控え目で、車両本体価格も249.9万〜513万円と少々強気で、走行距離500km未満の登録済み未使用車、展示車や試乗車上がりもそう多くはないようです。
しかも改良や新型コロナウイルス感染拡大以降に生産遅延を巻き起こした輸入部品の生産・流通混乱や、戦争など世情不安も増す中で円安ドル高の進行もあって、RAV4の新車価格は年々上がっており、中古車価格も引きずられるように今後上がるかもしれません。
買取査定額が期待できるRAV4のグレード
オフローダールックがウケてヒット作となっただけに、よりオフローダーチックな専用デザインのパーツやホイールを多用した「アドベンチャー」系のグレードが純ガソリン、ハイブリッド車ともに買取査定の評価は良好で、他グレードのRAV4より高価買取が期待できます。
さらに「アドベンチャー オフロードパッケージ」など、オフローダールックを極めた特別仕様車では、より査定アップが期待できるため、実際に悪路とは無縁のユーザーでも、リセールバリューを期待するのであれば、アドベンチャー系グレードと、その特別仕様車を押さえておくのが肝心です。
買取査定額が期待できるRAV4のカラー
現行RAV4のイメージカラーは、赤(センシュアルレッドマイカ)が多用されるものの、買取市場で査定が高いのは白(ホワイトパールクリスタルシャイン)、黒(アティチュードブラックマイカ)、グレー(グレーメタリック)と平凡で、かつてのFJクルーザーのごとく、趣味性全開の明るいカラーが人気とはならないようです。
【1年落ち2021年式RAV4の目安査定額】
1年落ち2021年式RAV4は、前年10月に追加された特別仕様車「アドベンチャー オフロードアッケージ」の人気が高い年式で、買取実績もブッチギリのトップを記録しています。
最低地上高10mmアップや専用内装、マットブラック塗装の18インチ専用アルミホイールは、もとよりオフローダールックのRAV4によく似合い、今後も高い査定を維持していきそうな気配です。
2021年12月には、ハイブリッド車にも人気の「アドベンチャー」グレードが追加、まだ新しいだけに買取実績としてはまだ反映されていないものの、他のハイブリッドグレードより高価買取になるのは間違いありません。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年10月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
(ガソリン車)
X | 新車316万円に対し、買取価格212万円程度 |
アドベンチャー | 新車374万円に対し、買取価格287万円程度 |
アドベンチャー オフロードパッケージ | 新車391万円に対し、買取価格301万円程度 |
G | 新車376万円に対し、買取価格256万円程度 |
G Zパッケージ | 新車393万円に対し、買取価格292万円程度 |
平均買取価格 | 269万円程度・平均残価率73%程度 |
(ハイブリッド車)
ハイブリッドX | 新車383万円に対し、買取価格260万円程度 |
ハイブリッドG | 新車447万円に対し、買取価格316万円程度 |
ハイブリッドアドベンチャー | 新車452万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 288万円程度・平均残価率69%程度 |
【2年落ち2020年式RAV4の目安査定額】
2年落ち2020年式RAV4は、同年8月の改良でスマホ連携ディスプレイオーディオや、駐車など低速時のアクセル・ブレーキ踏み間違いによる衝突被害を軽減するため、インテリジェンスクリアランスソナーを全車標準装備としたほか、駐車時に真上から見下ろすパノラミックビューモニタを設定するなど、装備を充実したモデル。
同年10月には、最低地上高10mmアップその他でオフローダールックをさらに極めた特別仕様車「アドベンチャー オフロードパッケージ」が追加されています。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年10月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
(ガソリン車)
X | 新車306万円に対し、買取価格213万円程度 |
アドベンチャー | 新車354万円に対し、買取価格275万円程度 |
アドベンチャー オフロードパッケージ | 新車381万円に対し、買取価格295万円程度 |
G | 新車361万円に対し、買取価格263万円程度 |
G Zパッケージ | 新車378万円に対し、買取価格279万円程度 |
平均買取価格 | 265万円程度・平均残価率74%程度 |
(ハイブリッド車)
ハイブリッドX | 新車373万円に対し、買取価格251万円程度 |
ハイブリッドG | 新車430万円に対し、買取価格299万円程度 |
平均買取価格 | 275万円程度・平均残価率68%程度 |
【3年落ち2019年式RAV4の目安査定額】
3年落ち2019年式RAV4は、同年4月に久しぶりの日本市場復帰を果たした5代目RAV4の初期型で、同年10月に消費税が8%から10%に上がったため、それ以前に購入できたユーザーはもっともRAV4を安く買えたのが特徴で、もっとも安い「X」グレードなど、現在より20万円近く安かったのです。
そうしたお買い得感や駆け込み需要もあってかヒットした2019年式の、「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年10月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
(ガソリン車)
X | 新車303万円に対し、買取価格227万円程度 |
アドベンチャー | 新車349万円に対し、買取価格265万円程度 |
G | 新車355万円に対し、買取価格279万円程度 |
G Zパッケージ | 新車372万円に対し、買取価格271万円程度 |
平均買取価格 | 260万円程度・平均残価率76%程度 |
(ハイブリッド車)
ハイブリッドX | 新車369万円に対し、買取価格253万円程度 |
ハイブリッドG | 新車424万円に対し、買取価格302万円程度 |
平均買取価格 | 278万円程度・平均残価率70%程度 |
RAV4の残価率・リセールバリューは?
さすがは今が旬のオフローダールックSUVだけあって、買取相場での評価はかなり高く、転売必至なランドクルーザー系ほどではないとはいえ、平均買取価格が純ガソリン車で260万~269万、ハイブリッド車で278万~288万と、1~2年古くなった程度では大して値落ちもしません。
そのため、買取価格そのものは若干落ちるものの、新車価格が安かった初期の2019年式が2021年式より、高いリセールバリューを記録する珍現象も起きていますが、まだ新しいモデルということもあって、「まだマイナーチェンジもしていない現状では、走行距離や程度が同じくらいであれば、年式でリセールバリューに大きな差はつかない」と考えるべきでしょう。
なお、オフローダールックにハイブリッドシステムのイメージはミスマッチなのか、それともハイブリッド車やEV全般について回る「走行用バッテリーの経年劣化」を心配してか、ハイブリド車のリセールバリューはだいぶ落ち、純ガソリン車の上級グレードと同程度の買取価格になってしまいます。
この種のSUVにとって、経済性で勝るものの、リセールバリューが低いハイブリッド車は、長く乗るユーザー向けと言えそうです。